同種の地代事例は一般的に情報が入手しにくいため、不動産鑑定士に調べてもらう必要がありますが、大体、関東の都心近郊の純粋な住宅地で300~800円/坪、近隣商業地域として店舗が連担する商業地で800~2,000円/坪ぐ

らいが多いです。ただし、土地の形状や道路付け、土地の高度利用の程度、繁華性、場所的な希少性などで異なりますので土地の特性を踏まえて適正な事例かどうかを判断する必要があります。極端に間口が狭い商業地の借地や再建築不可の借地などでも相場程度の地代が授受されている場合もあり、現実には理屈が当てはまらないことも多いです。

利回りについて経験則的な話をすると、関東の地代は更地価格の年1%前後の金額が支払われていることが多いです。更地価格に対する期待利回り1%を乗じて求められた地代が土地の効用を踏まえた妥当な水準として適切なことはよくあります。(固定資産税・都市計画税に対する地代の倍率(公租公課倍率)で地代をする方法は実務上広く用いられていますが、建物の住宅利用の状況で課税標準及び税額は異なりますし、一般に認識されている倍率と実際のデータには地域により食い違があることもありますので公租公課倍率は簡易な方法と使用された方がいいと思います。)

また、地代を底地価格との関係でみると底地価格に対しては3%前後といった水準が多いです。不動産鑑定士には底地に対する利回りから地代を試算すべきとする考えもありますが、個人的には、底地価格よりも更地価格の方が分かり易いと思っています。仮に期待利回りがその地域で適切なものだとしても底地価格を求めることで判断部分が多く介在してしまいますし、取引利回りデータを収集するにもその事例の底地価格の把握が必要になります。また、底地価格は借地人が買取る場合の価格と第三者が買取る場合の価格は全く水準が異なるので、取引利回りデータで底地価格が判明したとしても売買当事者が誰なのかなどを確認しないと取引利回りデータの規範性は担保されないことになります。

念のために説明しておくと、なぜ更地価格の1%前後と低い利回りで地主が納得できるのかというと、通常、借地権設定時に地主は多額の権利金を受領しており、その代わりに土地の使用収益権が借地人に移転しているからです。底地を取得する第三者からすると底地価格は更地価格よりもずっと安くなるため、取引利回りとして5~10%程度で取得できるわけで、利回りが納得できる水準まで上昇することになります。